マンション価格の年収倍率

2022年03月31日

 不動産鑑定の東京カンテイ(株)は、毎年マンション購入価格が年収の何倍に相当するか「年収倍率」を公表しています。内閣府が毎年公表している「県民経済計算」の「一人当たりの雇用者年収」で、新築および中古のマンション価格(70㎡換算)を割った平均単価を全国の都道府県別に比較したものです。

 直近の2020年のデータをみると、全国の平均年収は463万円、年収倍率は新築が8.41倍、中古が5.92倍となっています。前年比では、年収が458万円→463万円、新築が8.19倍→8.41倍、中古が5.52倍→5.92倍と上がっています。

 年収倍率の全国順位をみると、年収倍率が最も低かった(第1位)のは、新築が香川県(5.33倍)で、中古が山口県(3.95倍)でした。大分県の年収倍率は、新築が7.15倍、中古が5.46倍です。平均年収は437万円なので、マンションの平均価格(70㎡換算)は、新築で3123万円、中古で2385万円となっています。大分県は新築が12位、中古が22位でした。順位からみて、新築の方が中古よりも全国的には倍率が低かったので、割安だったといえそうです。

 「住宅購入価格は年収の5倍以内」という基準があるようですが、根拠は明確ではないようです。住宅ローンを審査する金融機関の貸し出し基準(年収と年間返済額の比率)が、関係しているのかもしれません。東京カンテイによると、東京都の年収倍率が5倍以内になったことは過去にないようです。

 コロナ禍による半導体不足に始まり、物流費や原油の高騰、建築資材や食料品の値上げ、さらには、ロシアによるウクライナ侵攻による世界的なエネルギー、食糧の供給不安が起こっています。今後、金利が上昇すると不動産業界にも大きな影響が及びます。

マンション1

マンション2

マンション3