所有者不明土地・建物管理命令制度について

2024年06月30日

 誰も住んでない空家や利用されてない土地の登記簿を調べてみたら、半世紀も前に登記されたままで、現在の所有者が誰か不明の物件がたまにあります。所有者が不明の土地や建物の管理について、国の制度を調べてみました。

 まず、所有者の所在が不明で死亡も確認できない場合には、「不在者財産管理人制度」があります。裁判所に不在者財産管理人を選んでもらい、管理や処分をしてもらいます。管理人を選んでもらう申立てのできる人が限られていたり、不在者の財産全部が対象となるために、管理人の選任に時間と高額の費用がかかるようです。

 不在所有者の死亡が確認でき、その相続人がいない場合は、「相続財産清算人制度」があります。裁判所に相続財産清算人を選んでもらい、清算人が財産の処分を行い、最終的に対価を国庫に納めます。

 2023年4月に「所有者不明土地・建物管理命令制度」が施行されました。この制度は、死亡が確認できない不在者の財産全部ではなく、特定の土地や建物についての処分ができる制度です。選任にかかる時間と費用が縮小されています。所有者不明不動産の解消を図ることが制度の趣旨であるため不動産業者が申し立てることも可能です。ただし、マンション(区分所有建物)は対象になりません。

不明地主1

不明地主2

申立書